Stablemates

実は幼稚園から中学の終わりまでずっとサッカーを続けていた。爽やかなるスポーツ少年だった片鱗は見る影も無く、今では完全な文系少年の陰キャラへと変貌を遂げている。

サッカーが特段好きで始めたわけではない。気まぐれで幼稚園のチームに加入し、そのまま惰性で続けただけのことである。中学でもなんとなくサッカー部ならモテそうだと思いそのまま入部した。もちろん練習は嫌いだった。日々の部活動では、何かと理由をつけて早退し、土日の練習や試合には、必死で雨乞いしたものだ。
しかし、サッカー観戦が趣味でもなく練習にも消極的、ただ惰性で続けていた私でも試合にはそこそこ出せてもらえた。性根が腐っているため、弱小チーム相手なら調子付いてバンバン得点を決めることができた。しかし他のレギュラーメンバーとのモチベーションの差はどうしようもない。公式戦で敗退し皆が悔し涙を流す中、私も悔しいフリをして、汗拭きタオルで顔を覆うのだった。

そんな私でも、一度本気になった大会がある。市内の中学校のトップを決める大会である。序盤から割りと好調に進めることができたので、これは優勝したいと熱くなった。
私の中学にはライバルのA校がいた。A校はかなり強い。必ず、決勝で当たることになるだろう。私たちは坊主の顧問(色白うんこファイヤー)が編み出した、対A校特別練習メニューに明け暮れた。

私の中学は無事決勝戦への進出が決まり、後一歩で優勝といった時のことである。
A校がC校に敗れたのだ。A校対策に全てを賭けた私たちは、新たなダークホースの登場に驚きを隠せない。C校とは如何許りの強さであるだろうか。一抹の不安を抱えたまま、決勝の日は訪れた……。


5-0で勝っちゃった。

 

 

優勝しちゃった。

 

 

お調子者のアイツが胴上げされているが、誰も支えていないので背中から「ビバァ!!」と叫んで落ちた。

 

何が言いたいかっつうと、胴上げするときは気をつけろよオメー。

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