駐輪場の奇怪人
久々の更新になります。
今回は本当にあった怖い話を一つ。
その日は暗くじめじめした日でした。
夜10時過ぎ、電車から降り、駐輪場に行くと
どうやら駐輪場から大きな声が聞こえてくるのです。
「いやだなぁ。」
僕は恐る恐る駐輪場へ行くと、小さなおじさんが大きな声でお歌を歌っていました。
ツイードっぽいジャケット、赤いネクタイ、刈りそろえられた短髪、額のシワ。
邦人・ミスタービーンみたいな人でした。
「もっといやだな。」僕は思いました。
彼は人目をはばからず、大きな声でカーロ・ミオ・ベンを歌っていました。
「いやだなぁ。」引き続き思いながら、その場を後にしました。
後日談にはなりますが、そのおじさんと同じ電車に乗りました。しかも隣。
「いやだなぁ。」例のごとく思いました。
おじさんはおもむろにバッグから何か資料を取り出すと
そこにはなにやらカタカナで意味不明な文字(呪文?)が書かれていました。
(しかも文字バカでかい!)
いやでした。
最寄りが同じなのでおじさんとともに電車から降りると、
一緒に駐輪場へ行くのが苦痛だったので僕はトイレで時間をつぶしました。
駐輪場へ近づくとおじさんのバカでけえお歌が聞こえてきました。
お歌は日課でした。
そして同時に全てがわかりました。
馬鹿でかく書かれていた呪文はカーロ・ミオ・ベンの歌詞でした。
なんだかほっこりしました。
よかったです。
気分がよかったので湯船でおしっこをしました。