最後の大会

高校最後の大会

PK戦にもつれ込んだ。これで勝てば県大会だ。

下馬評を覆して勝ち上がってきたおれらなら勝てる。

 

最初のキッカーはおれだ。絶対に決めてやる。

 

次のキッカーは塩本。サッカーは高校から始めた男だが、努力でのし上がってきた。

 

3番目は科学部から転部した、吉田。3ヶ月前に転部してきた。なぜか、今もフラスコを片手に持っている。50メートルを8秒で走る。少し遅い。

 

4番目は数合わせで来てもらった、高田。よく分からないけど、受験勉強を頑張っているようだ。今も単語を覚えている。

 

5番目は本当に知らない。名前も顔も見たことがない。しかも歯がない。よくない人だと思う。

でも、この状況にすごく感動して、泣いてくれてる。それだけじゃない。

試合終了間際、フリーキックを直接叩き込んだのもこいつだ。

 

このメンバーならなんとか勝てる気がする!!

 

おれ×  相手チーム○

塩本×  相手チーム○

吉田×  相手チーム○

 

結果として、4番目、5番目を蹴らずして負けが決まった。

 

そして、試合後、おれは高田と知らない人に死ぬほど怒鳴られた。怒らせようと思っても、あんな怒られ方はできない。本当に周りも引いてたし。

 

高田、名前知らん人

ほんとお前ら誰(T ^ T)

人生始まった瞬間終わった人

俺は今日生まれた赤ちゃんだ。

今から親とご対面だ。さあどんな親だろう…

 

ん?男がやってくるな。あれが「チチオヤ」か。

どれどれ、どんな顔だ?

 

病的な分厚い唇に、「フーグ田くん」の声。

親父は…

 

穴子だ!!!

 

チチオヤは最悪だ。ハハオヤに期待しよう…

 

穴子がなんか話しているな…

抱えた誰かに話しているな…

あれがハハオヤなのか…黒くて、長くて、ウナギじゃないけどウナギっぽい…

 

マジな穴子!?!?

 

穴子・マジな穴子夫婦の間に生まれた「バケモノの子」

それが俺だ

露出狂vs盗撮魔

こんばんは。今日は世紀の一戦の話を。

 

露「ここら辺はあんま人通りないからな。今日も見せるゾ〜」

盗「ここだったら、うまく撮れそうだな。あ、あそこに誰かいるぞ」

露「うわ〜。早速来たなwwwいっちょ見せるかwww」

 

露盗 ソロリソロリ…(すれ違う瞬間が勝負だ!!)

露盗 ジワジワ…(あと少しだ!!)

露盗 (今だ!!)

 

露「うわぁ!!どや!!」

盗 パシャパシャ(シャッター音)

 

露盗「え!?」〜鳴り響く連写音〜

 

盗「こんな盗撮に協力的なやつ初めてだ」

露「こんなに露出を褒めてくれた人初めてだ」

盗「すげぇ〜ありがとうございます」

露「こちらこそ、こんなに気持ちいいの初めてです」

 

〜しばしの露出会&撮影会〜

 

盗「ん〜」

露「なんかちがくないですか?」

盗「何ていうか、思ってたんと違いますわ」

露「そうなんですよ。見せたい気持ちはあるんですけど、

何ていうか、見せて恥ずかしがらせたいんですよ。」

盗「なるほど。俺も撮りたいんですけど、

撮られたくないものを撮りたいんですよ。これだと撮れ高がない」

露「撮れ高ないってなんだ!こっちは人生かけてやってんだ!バカヤロウ」

盗「バカヤロウってなんですか!あんま馬鹿にしてると、この写真警察に出しますよ」

露「ちょ、それはないでしょうよ〜ごめちごめち〜

あ、でもそしたらあんた盗撮バレるよ、早く警察行け!おい行けぇ!」

盗「嘘じゃんか〜ジョークよ、ジョーク」

露「どうすんだよ、この状況。最悪だ」

盗「あ、じゃあ、僕たち入れ替わりませんか?」

露「どういうことよ」

盗「あなたが盗撮魔で、私が露出狂になるんですよ」

露「コイツァ天才だぜぇ!!そしたら見せて恥ずかしがらせられるし、撮られたくないものも撮れる!!」

盗 (コート下全裸)

露「おいなんでお前全裸なんだよ」

盗「一応用意してたんですよ」

露「極上の変態じゃねえか!脱げ脱げ!」

盗「パンツ要ります?」

露「ありがとう。寒くて。」(白ブリーフ)

盗「じゃあ向こうから、僕が歩いてきてすれ違うときに脱ぐんで、そしたら撮ってください」

露「おっけー☆」

 

〜両者接近〜

 

盗「わ!」

露 パシャパシャ

 

露「ヴォェ〜クソキモ〜」(昼のミラノ風ドリア嘔吐)

盗「うっわ、僕撮られた〜クソ恥〜」(何撮ってんねん、逝けや)

露 オエッオロオロロロ パシャパシャ

盗 何人の体見て吐いてんねん、クソジジイ 。キショいねん撮るなや

 

〜天からの授かりもの〜

 

露盗「これが被害者の気持ち!!」

盗「もう撮るのはやめよう」

露「ようやくわかった。こんなの人としてどうかと思う。」

露盗「ありがとう!」(がっしり握手)

盗「このあと、飲みにでも行く?」

露「いいね!あ、あとさっきは吐いてごめん。生理的に無理で…いい体だったよ」

盗「なんやそれキショいねん、どついたろか」

露「ごめんてぇ」

 

犯罪がなくなりますように。

正月の親父

こんばんは。

こんな長い時間家にいるなんて、正月みたいですね。

正月が懐かしいなぁ。

正月といえばおせちとお酒ですよね。私も成人してますから、親父と酒を飲んでたんですよ。

せっかくだからって年明け前にジョッキ買って、正月を迎えたんです。いいですなぁ。

で、元旦からジョッキで日本酒飲んでたら、親父がすっごい喜び出したんですわ。

 

どうした親父!!って言ったら、親父が涙を流しながら、「これでおれもアンパンマンだ…」

親父の頭みたら、頭の傷からあんこがこぼれ落ちてるんですよ

親父は兼ねてからアンパンマンになりたかったら、私も嬉しくて2人で泣いたんです。

 

「ああ、まじぃな。泣いたらパンがダメになっちまう」って親父がアンパンギャグかましたところで、私気付いたんです。

パンにはなってねえなって。

ただ、あんこが詰まった人間でしかないんですよ。

あんこ人(あんこびと)なんですよ。

 

親父は膝から崩れ落ちて、汁気の多いトリオを見て舌打ちしたんです。

 

親父どうも精神的に参っちゃったみたいで、汁気の多いトリオがコッペパンにしか見えないみたいで(笑)

パンであることを羨ましく思ったんでしょうね。

汁気の多いトリオも参ってましたよ(笑)