三度死ぬ
こんばんは。
万物にはストーリーがあると感じるんです。
彼と初めて会った時は、どこにでもいるような存在だった。複数人で群れる中の一人というか…そんな奴だった。
ただ、どこか輝く部分を感じたのだろうか、私は彼を家に招いた。
彼がシャワーを浴びると、輝きが増したように感じた。
他のメンバーを紹介すると、私は確信した。このメンバーならやれる!と。
そうして、彼は1メンバーとして加わり、周りと協調しすぐ溶け込んだ。
そして彼らを見て、そしてこれはうまいぞ!と感じた。
ただ、そう思ったのも束の間、彼らは一瞬にして消えてしまった。
ああ、またか。私は満足感と消失感に駆られ、ベッドに横たわった。
寝ていた!
3時間ほど昼寝をしてしまっていた。もう日が暮れ始めるな。
先ほどの満足感も消失感も今となっては忘れてしまった。人間はそんなものなのかもしれないな。
その時、私は何かを感じた。
それは彼が私をどこかで呼んでいるような、ドアを叩くような感覚があった。
気のせいか。
彼はまた私に会いに来ようとしているのではないか。そう思うと気が気でない。
私は本能で確信していた。本能と理性が鬩ぎ合う。
本能が彼の存在を知らせる。理性が彼を迎えに行く。
私は透き通った白い墓の前で、彼を見た。
彼は私の知っている彼ではない。長い旅だったのか、過酷な旅だったのか。
穢らわしく、見るに耐えないその姿に絶望した。
周囲の人間にこのことを知られたら…その瞬間、無慈悲にも彼を墓地に葬った。
罪悪感を微塵も感じないうちに、新たな出会いを求めて街へ出る。
ん、これがいいかな。私は生鮮食品を手に取った。
よし、またウンコでもするか。